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貿易手続へのXML/EDI導入調査研究特別委員会
財団法人JKA補助事業

本委員会は平成22年度をもって活動を終了致しました。

1.1委員会の概要

21世紀に入り爆発的に加速した世界のインターネットユーザ数は、UNCTAD(※1)の報告書によれば2006年度の時点で既に10億人を超えました。その驚異的な普及度と経済性によって、それを基盤とするEDI(XML/EDI)(※2)技術が、企業の規模に関係なく、かつ、地理的な制約を超えた産業横断的な電子商取引の為のインフラを形成しつつあります。

その一方で、上述のインターネット関係の技術革新の急進性と多様性は、在来型EDIを支えてきたパラダイム(※3)を覆した結果、相互運用性の喪失やデータの非互換性といった在来型EDIの黎明期にみられた問題を再び顕在化させ、欧米を中心にその弊害を是正する動きが相次いでいます。その動きの中で国連傘下の唯一の電子商取引の標準化開発組織である国連CEFACT(※4)の役割が再認識され、国際・業際の標準の統合を進める中核として活動を続けています。

インターネットの普及に伴う問題は我が国もその例外では無く、問題解決のために国連CEFACTが進めているXML/EDIのための標準化関係活動に係わる情報を積極的に収集すると共に、国連CEFACTが進める開発・普及活動に積極的に参加し、我が国の意向を反映させてゆくことが重要であるとの認識の下に、財団法人JKAの補助を受けて我が国国内における貿易関連システムの実態調査、各種EDIの相互運用性確保のための調査研究を行なってきました。

【国連欧州本部(UN/CEFACT事務局)】
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※1
UNCTAD: 国際貿易開発会議(United Nations Conference Trade and Development)の略称で、国連総会直属の常設国際機関として1964年に設立され、発展途上国の経済杯初を促進することにより、南北問題を解決することを目的としている。

※2
XML/EDI:eXtensible Markup Language(拡張可能記号付け言語)を用いたインターネットによる EDI(電子データ交換)。簡単に、早く、安く実装できることから中小企業にとって導入しやすいと言われている。

※3
パラダイム(Paradigm):一般には「模範」、「範例」を意味し、ある時代や分野において支配的規範となる「物の見方や捉え方」のことです。

※4
UN/CEFACT(Center for Trade Facilitation and Electronic Business:貿易円滑化と電子ビジネスのための国連センター):国連欧州経済委員会に設置された貿易手続簡易化作業部会を1997年3月に発展的に改組した組織です。


1.2委員会活動の総括

本委員会では、その設立当時に「XML/EDIは、インターネットがもたらす経済性によって、EDIFACT(※5)に代表される従来型のEDIに比べ中小企業にも導入し易いであろう」との仮説を立ててその検証を積み重ねてきました。

本委員会の活動を締めくくるに当たり、この仮説・検証への回答は避けて通ることは出来ません。仮に、その回答を「○か×か」で問われるならば、現時点においてその応えは「×」です。なぜならば、各種統計や外部の調査でも示されているとおり、XML/EDIの普及度という物差しで検証する限りにおいては、約10年前の期待に反して中小企業への普及はさほど進んでいないのが現状です。但し、これは我が国に特化したものではなく、欧米においても同様な状況にあり、我が国だけが取り残されているわけではありません。

しかし、その物差しを、インターネットを基盤とする情報通信の技術革新の恩恵を享受した情報交換・共有の効率化、及びペーパーレス化という意味にまで拡大すれば、大企業のみならず、貿易業や製造業に携わる中小企業も海外取引のための通信コストの大幅な削減や、受発注、代金請求・精算の為の証憑書類の作成のPC処理化による事務効率化、及びそれら作業結果を電子メールで迅速に伝送出来る様になったことなど、種々の恩恵を受けてきたことは広く理解・認識されているところです。

次に指摘すべき点は、企業間の情報交換のコストは、コスト全体の中では一般管理費のごく一部という認識が強く、EDI化しないことに起因する人件費や在庫コストの増大が見えない(=数量的な把握が容易に出来ない)が故に、改善への必要性の認識が低いという点です。見えにくいとはいえ、「サプライチェーンのEDI化の遅れによる直接的・間接的な無駄なコストが5年間を通算すると約1700億円にも達し、生産拠点の海外移転に伴うコストダウン効果を大きく損なう」といった報告(米国自動車工業会の委託調査結果)もあり、我が国においても、こうした隠れたコストを顕在化させ、如何にEDIを有効に活用して改善を図るかを、産業の枠を超えて知恵を絞ることが必要と考えます。この問題の調査分析は、対象範囲が広く、かつ多額の予算を必要とするため、本委員会では実施できませんでしたので、今後、関係機関の調査研究を待つこととしたいと思います。


※5
UN/EDIFACT(Electronic Data Interchange for Administration Commerce and Transport):貿易手続のみならずビジネス全般において使用されている電子データ交換(EDI)のための汎用的国際標準です。


1.3提言

本委員会は、以下を貿易関係手続きに関わる官民の組織に提言しました:

提言1:我が国のEDIの(国際)標準化戦略を明確化し、賢く、したたかにそれを実行すべきである。具体的には、早急に業界横断EDIによる国内ビジネスインフラの整備を確立し、それを国際標準組織に持ち込み、我が国産業の総合力に対する理解をベースに日本のニーズを充足する世界標準の開発・採択を図り、国内標準がガラパゴス化し、その結果として企業の国際競争力の低下を招くことを避けるべきである。

提言2:上記ビジネスインフラの整備に当たっては、アジア諸国へのアプローチを先行させ、欧米主導型の国際標準化の枠組みを変える戦略をとるべきである。

提言3:商流と金流を一体化したEDI標準アーキテクチャーの確立を急ぐべきである。言うまでもなく、企業規模の大小を問わず、企業経営は代金の回収が確実に出来て初めて成り立つ。この視点より電子手形と新しい貿易決済サービスであるTSU(※6) は、今後、我が国の貿易手続きをはじめとするビジネスの電子化を推進する上で、商流と金流の一体化という一つの方向性を示しているものと考える。


※6
TSU:TSUとは、Trade Services Utilityの略で、世界の主要銀行間の決済ネットワークであるSWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunicationの略で、金融通信メッセージ・サービスを提供する金融業界の標準化団体)が開発した銀行間の貿易データのマッチングシステムのことです。


提言4:グローバル人材の育成においては、欧米の知恵と戦略を謙虚に学ぶべきである。

上記3つの提言は、我が国の「強み」をもっとしたたかに生かすとの視点に立ったものである。その反面、我が国の「弱み」は何か?その一つは、グローバルに活躍出来る人材が不足しており、かつその育成の重要性が社会的にまだ十分に認識されておらず、結果として組織的な人材育成が、360度の視野と長期的なビジョンに立って行われていないことである。




在来型EDIの時代から現在のXML/EDIに至るまで、国際標準の主導権を終始握ってきたのは欧米である。かれらの主導権の源は何か? それは「金力」ではなく「人材力」である。2010年12月に閣議決定された新成長戦略(基本方針)においてもグローバル人材の育成が謳われているが、関係諸機関においては、企業の枠を超えた国際標準など官民のパートナシップが不可欠な分野において、国際的に活躍できる人材の育成に前向きな対応をお願いしたい。

平成22年度事業成果報告書(PDFファイル/2ページ)

平成21年度事業成果報告書(PDFファイル/3ページ)

平成20年度事業成果報告書(PDFファイル/4ページ)

平成19年度事業成果報告書(PDFファイル/3ページ)

平成18年度事業成果報告書(PDFファイル/3ページ)

平成17年度事業成果報告書(PDFファイル/2ページ)

委員名簿


  名前 所属業種・
業界
企業・団体・部署名 役職
委員長 菅又 久直 専門家
次世代EDI推進協議会(JEDIC) 事務局長
委員 釜井大介 銀行 (株)三菱東京UFJ銀行 外為サービス室 兼 外為事務部 
企画グループ
調査役
委員 吉田理人 損保 (株)損害保険ジャパン、
海上保険室、
海上事務グループ
リーダ
委員 服部 学 NACCS 輸出入・港湾関連
情報処理センター株式会社
 
委員 増田博明 IT・製造
富士通(株)
流通ビジネス本部 
ビジネス企画部
シニアエキスパート
委員 鈴木俊宏 専門家 日本オラクル株式会社 
テクノロジー製品事業統括本部
スタンダードストラテジー&アーキテクチャー
シニアディレクタ
委員 伊東健治 専門家 JASTPRO 理事
オブザーバ 養父一幸 財務省
関税局総務課事務管理室
電算システム専門官
オブザーバ 遠山亨司 財務省 関税局 業務課 課長補佐
オブザーバ 田巻輝夫 経済産業省 貿易経済協力局 貿易管理課 貿易管理法規分析官
オブザーバ 中倉洋一 国土交通省 総合政策局
情報管理部情報政策課
課長補佐
オブザーバ 西永潤一 国土交通省 総合政策局
情報管理部情報政策課
専門官

平成22年8月現在、順不同

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注意)
日本輸出入者標準コードに関するお問合せは、ページ上部のメニューにある「コード関係お問合せ」をクリックして下さい。

一般財団法人 日本貿易関係手続簡易化協会
〒104-0032 東京都中央区八丁堀 2-29-11 八重洲第五長岡ビル4階
コード管理センター TEL.(03)3555-6034 / FAX.(03)3555-6036
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