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第二十七話USMCA協定:繊維・繊維製品編

USMCA繊維章の総則規定部分は、条文の構成・内容においてTPP11に類似した構造を採用しているものの、繊維貿易に係る管理方法については旧NAFTAの構造をそのまま引き継いでいます。繊維・繊維製品に係る品目別規則は、USMCAにおいては、形式上、原産地規則章に一元化されているものの、その規定の意味するところは旧NFATA、TPP11とそれほど大きな差異はなく、ヤーンフォーワードを原則とする極めて厳格な規則が設定されていると言えます。

しかしながら、旧NAFTAと同様に、USMCAにおいても限定的ではありますが緩和策が用意されており、附属書6‐A(特別規定)、付録1(非原産の繊維製品に適用される関税上の特恵待遇)、付録2(非原産の綿又は人造繊維の布及び製品に適用される関税上の特恵待遇)、付録3(非原産の綿又は人造繊維の糸に適用される関税上の特恵待遇)及び附属書6‐B(変換表)において、旧NAFTA規定をそのまま引き継いだ管理方法が規定されています。

これらの方法は、非原産の繊維・繊維製品を一定量、特恵待遇で輸入することを認める一種の関税割当のようなもので、Tariff Preference Levels (TPLs)と呼称されます(類似規定は、日メキシコ協定にも存在します。)。しかしながら、「非原産」といってもTPLsを享受するための要件が設定され、その要件とは「布の裁断から衣類への仕上げまでを一つの締約国で行う」という内容で、決して第三国の衣類の迂回輸入を許容するような内容ではありません。具体例を挙げてみましょう。

まず、紡織用繊維の織物類を製品にしたものである第62類の衣類に対しては、以下の類注が第62類の衣類に対して横断的に適用されます。

類注1第62類の製品は、域内において布を裁断し、縫い合わせる等の組み立てを行い、衣類の外側の布(襟と袖口を除く。)が以下のもの(単独または複数)から構成される場合には原産品とする。
第5801.23号のベルベット生地で、重量比で85%以上の綿を含むもの、
第5801.22号のコール天生地で、重量比85%以上の綿を含み、1cm当たり7.5以上のうねりがあるもの、
第5111.11号又は第5111.19号の生地で、78cm未満の織機で英国においてハリスツイード協会が定める規則に従って手織りされ、かつ、同協会によって証明されるもの、
第5112.30号の生地で、重量が1m2当たり340g以下であって羊毛の重量比が線獣毛の20%を下回らず、人造繊維の短繊維の15%を下回らないもの、又は
第5513.11号又は第5513.21号のバチスト生地で、76メートル番手を超える単糸の正方形状であって、1cm2当たり60から70の縦糸及び横糸を含み、1m2当たり110gを超えないもの
これらの衣類については、類注3から5までを適用しない。
類注2この類の産品が原産品であるかどうかを決定するに当たり、当該産品について適用される規則は、当該産品の関税分類を決定する構成部分についてのみ適用されるものとし、当該構成部分は、当該産品について適用される規則に定める関税分類の変更の要件を満たさなければならない。(TPP11の規定と同じ。)
類注3本協定の発効の日から18ヵ月後に、第5806.20号又は第60.02項の生地を使用するこの類の衣類は、類注2の規定にかかわらず、当該生地域内で糸から形成され、仕上げられたものである場合に限って原産品とする。
類注4本協定の発効の日から12ヵ月後に、第52.04項、第54.01項又は第55.08項の縫糸、又は縫糸として使用される第54.02項の糸を使用するこの類の衣類は、類注2の規定にかかわらず、当該縫糸域内において形成され、仕上げられたものである場合に限って原産品とする。
類注5第5209.42号、第5211.42号、第5212.24号及び第5514.30号の青のデニム生地からなる衣類については、本協定の発効の日から30ヵ月後に、当該衣類がポケットを含む場合には、当該ポケットの袋生地は、類注2の規定にかかわらず、域内おいて完全に形成された糸から域内において形成され、仕上げられたものでなければならない。
その他の衣類については、本協定の発効の日から18ヵ月後に、当該衣類がポケットを含む場合には、当該ポケットの袋生地は、類注2の規定にかかわらず、域内おいて完全に形成された糸から域内において形成され、仕上げられたものでなければならない。

一方、第62.01項から第62.04項までの男女の外衣に適用されるUSMCA品目別規則は、以下のとおりです。

第62.01項から第62.04項までの各項の産品への他の類の材料からの変更(第51.06項から第51.13項、第52.04項から第52.12項、第53.10項から第53.11項、第54類、第55.08項から第55.16項、第58.01項から第58.02項、又は第60.01項から第60.06項まので各項の材料からの変更を除く。)。ただし、当該産品が、域内において、裁断され(若しくは特定の形状に編まれ)、かつ、縫い合わされ又は組み立てられることを条件とする。(繊維からの域内一貫生産(ヤーンフォーワード))

これに対して、附属書6‐A(特別規定)第C節(他の締約国の非原産品への関税上の特恵待遇)においては、以下の規定があります。

一つの締約国において、域外で生産又は得られた生地又は糸から、裁断され(若しくは特定の形状に編まれ)、かつ、縫い合わされ又は組み立てられる第61類又は第62類の衣類であって、本協定に定める他の特恵待遇の資格要件を満たす場合には、付録1(非原産の繊維製品に適用される関税上の特恵待遇)で特定されるSME(square meters equivalent: 平米値)による年間数量を限度に特恵税率を適用する。

さて、ここでUSMCAとTPP11との差異についても触れておきましょう。TPP11の繊維章は旧NAFTAの色彩が強く現れていたものの、地域協定であることから参加各国の個別要望を勘案して「供給不足の物品の一覧表」(Short Supply List: SSL)が策定され、TPP域内で調達不可能な繊維材料の原産性を問わないこととしています。すなわち、USMCAが特定要件を満たす一定量の非原産品に特恵待遇を与えるのに対して、TPP11では特恵輸入できる産品はあくまでも原産品に限られるという原則を貫き、域内で調達できない特定の非原産材料が生産に使用された場合に限って、その材料の原産性を問わないという措置を採用している訳です。
それでは、以下にUSMCA繊維章の構造を俯瞰した上で、主要条文に解説を加えてみたいと思います。

【繊維章の構造】
第6章:繊維及び繊維製品

本体規定:

第6.1条原産地規則及び関連事項
第6.2条手工芸品、伝統的な民芸品又は先住民による手工芸品
第6.3条特別規定
第6.4条原産地規則の審査及び改正
第6.5条協力
第6.6条確認
第6.7条決定
第6.8条繊維及び繊維製品の貿易に係る事項に関する委員会
第6.9条秘密の取扱い

附属書6‐A:特別規定

付録1:非原産の繊維製品に適用される関税上の特恵待遇
付録2:非原産の綿又は人造繊維の布及び製品に適用される関税上の特恵待遇
付録3:非原産の綿又は人造繊維の糸に適用される関税上の特恵待遇

附属書6‐B:変換表

【繊維章の主要条文の概要】

(注)前2回と同様に、各条に骨子を青地で記載し、TPP11の規定と異なる部分は赤字で強調しています。

第6.1条:原産地規則及び関連事項(TPP11においても、デミニミス規定、セット規定を含むが、細部で若干異なる。)

本章に特段の規定がある場合を除き、第4章(原産地規則)及び第5章(原産地手続)が繊維及び繊維製品に対して適用される。
デミニミス規定:第50類から第60類又は第96.19項(乳児用おむつ等)に分類される産品において、品目別規則を満たさない非原産材料を含む場合、当該材料の重量が産品の総重量の10%以下で、弾性材料の重量が産品の総重量の7%を超えないときには、当該産品を原産品とみなす(その他の要件を満たす場合)。第61類から第63類に分類される産品において、関税分類を決定するコンポーネンツに品目別規則を満たさない非原産の繊維又は糸を含む場合、当該繊維及び糸の総重量が当該コンポーネンツの総重量の10%以下で、弾性材料の重量が産品の総重量の7%を超えないときには、当該産品を原産品とみなす(その他の要件を満たす場合)。(TPP11と類似の構成を採るが、USMCAには弾性糸に係る規定を置いていない。)
セット規定:HS通則3の適用により小売用のセットとして分類される繊維及び繊維製品は、当該セットを構成する物品がすべて原産品である場合、又はセットを構成する非原産物品の価額が当該セットの価額の10%を超えない場合に限り原産品とする。(TPP11とほぼ同じ。)

第6.2条:手工芸品、伝統的な民芸品又は先住民による手工芸品(TPP11では第4.2条(原産地規則及び関連事項)の一部として、ほぼ同じ内容を規定。ただし、先住民による手工芸品はUSMCAのみ。)

輸出締約国と輸入締約国が以下の産品を特定し、相互に合意する場合、当該産品は無税で輸入することができる。ただし、当該産品が当該合意した要件を満たす場合に限る。
(a)家内工業における手織物、(b)(a)に規定する手織物を用いた家内手工業産品、(c)伝統的な民芸手工芸品、又は(d)先住民による手工芸品

第6.3条:特別規定(TPP11には同様の規定なし。)

附属書6‐A(特別規定)は、特定の繊維・繊維製品に対して適用される特別規定を定める。

第6.4条:原産地規則の審査及び改正(TPP11には同様の規定なし。)

品目別規則の改正は、締約国の要請により、域内における繊維、糸又は布の調達の可否に対応して協議される。
協議に当たっては、締約国が提供する特定品目に係る実質的な生産に係るデータを考慮する。実質的な生産とは、国内生産者が当該産品の商業量を適時に提供する能力。協議に当たっては、域内において90日以内に当該繊維、糸又は布の入手の可否を検討する。
検討の結果、当該繊維、糸又は布の商業量の入手が可能でない場合、迅速に、提案された品目別規則の改正について合意すべく努力する。

第6.5条:協力(TPP11に比較して簡素化されている。)

締約国は、第7章(税関当局及び貿易の円滑化)の規定に従って、情報の共有その他によって繊維・繊維製品の貿易に係る案件について協力する。
締約国は、船荷証券、仕入書、注文に係る契約書、購入指図書、パッキングリストその他の商業書類は、繊維・繊維製品の貿易に係る関税法令違反を発見し、防止し又は対処するために有用であることを認識する。

第6.6条:確認(TPP11と大筋においてほぼ同一であるが、訪問実施の事前通報が実効性を損なうおそれがある場合に訪問の日に通報できる等、確認の実効性をより重視したものとなっている。)

確認は、輸入国税関により、第5.9条(確認)その他関連規定に基づく手続又は本条に基づく現地訪問の要請によって実施される。
輸入締約国は、繊維又は繊維製品の特恵資格の有無、関税法違反の有無を確認するために、当該産品の輸出者、生産者に対し、本条に基づいて現地訪問の要請を行うことができる。
現地訪問の期間中、輸入締約国は、①特恵待遇の要求に関連する記録及び施設、②確認が行われている関税法令違反に関連する記録及び施設へのアクセスを要請することができる。
輸入締約国は、現地訪問の実施を求める場合には、訪問国に対して当該現地訪問の20日前までに、①希望する日、②訪問の対象となる輸出者、生産者の数及び詳細に至らない場所(適度に詳細なもの。ただし、当該者の氏名又は名称の特定は不要。)、③訪問国による支援の要否及び当該支援の種類、④確認に係る関税法令違反(通報の時点で入手可能な特定の違反に関連する情報であって事実に即したもの(過去の経緯に関する情報等)を含む。)、⑤輸入者が特恵待遇を要求したかどうか、について通報する。
訪問国は、現地訪問に関する情報を受領した場合、受入れに係る準備、要請を受けた支援の提供等の当該現地訪問に関する計画の立案を円滑にするため、輸入締約国に情報を要請することができる。
輸入締約国は、現地訪問の実施を求め、かつ訪問する日の20日前までに輸出者、生産者の氏名・名称を提供しない場合には、訪問国に対し、輸出者又は生産者を最初に訪問する日の前に、現地訪問を希望する輸出者又は生産者の氏名又は名称及び住所の一覧表を提供する。
訪問国は、輸入締約国に対して、訪問の要請に係る通報の受領確認を行い、訪問計画の円滑化のために情報提供を要請することができる。
輸入締約国が現地訪問の実施を求める場合、
訪問国の税関職員は、当該現地訪問の期間中、輸入締約国の職員に同行することができる。
訪問国の税関職員は、自国の法令に従い、輸入締約国の要請又は自己の発意により、現地訪問の期間中、当該輸入締約国の職員を支援することができ、また、入手可能な範囲内で、当該現地訪問の実施に関連する情報を提供することができる。
輸入締約国及び訪問国は、現地訪問に関する連絡を関係する政府職員に限定するものとし、当該訪問国の政府に属さない者に対し事前に現地訪問について通知してはならず、また、その開示により当該現地訪問の実効性を損なうおそれのある確認又は執行に関する非公開の情報を提供してはならない。
輸入締約国は、現地訪問の時までに輸出者又は生産者、或いは前者に代わって同意することができる者に対し、関連する記録又は施設にアクセスするための許可を要請する。当該許可の要請は、事前の通報が当該現地訪問の実効性を損なうおそれがない場合には事前に、又は当該訪問の日に通報することにより行うものとする。
輸出者又は生産者、或いは前者に代わって同意することができる者が関連する記録又は施設へのアクセス又は許可を拒否する場合、現地訪問は実施しない。輸出者又は生産者、或いは前者に代わって同意することができる者が輸入締約国による現地訪問の実施を受け入れることができない場合、当該現地訪問はその翌日(稼働日に限る。)に実施される。ただし、輸入締約国がその他の日を同意した場合、又は輸出者又は生産者、或いは前者に代わって同意することができる者が当該時日に訪問を実施できないと輸入締約国が認める正当な理由を実証した場合は、この限りでない。
輸出者又は生産者、或いは前者に代わって同意することができる者が訪問の翌日(稼働日に限る。)に訪問を実施できないと輸入締約国が認める正当な理由を持たない場合、輸入締約国は、当該訪問要請の許可又は関連する記録又は施設へのアクセスが拒否されたものとみなす。輸入締約国は、当該現地訪問の対象となる者の関係する従業員の都合又は施設の利用可能性を考慮して、提案される合理的な代替日を検討する。
輸入締約国は、現地訪問の完了に当たり、次のことを行う。
訪問国の要請に応じ、当該訪問国に暫定的な所見を通報すること。
訪問国から書面による要請を受領した場合、当該要請の日の後90日以内に、当該訪問国に対し、当該現地訪問の結果に関する書面による報告書(所見を含む。)を提供すること。
輸出者又は生産者からの書面による要請を受領した場合には、当該輸出者又は生産者に対し、当該現地訪問の結果に関する書面による報告書(当該輸出者又は生産者に係る報告書。所見を含む。)を提供すること。当該報告書は、訪問国に対して用意する報告書に適当な変更を加えたものとすることができる。輸入締約国は、当該輸出者又は生産者に対し、当該報告書を要請する権利があることを通報する。
輸入締約国は、現地訪問を実施し、その結果として繊維又は繊維製品に対する特恵待遇を否認する意図を有する場合、その否認の前に、輸入者及び当該輸入締約国に直接情報を提供した輸出者又は生産者に対し、当該確認に係る暫定的な結果を通報し、当該者に対し特恵待遇を否認する意図を有する旨の通告を発し、その通告書の内容は当該否認の効力が発生する日及び当該特恵待遇の要求を裏付ける追加的な情報(書類を含む。)の提出のために30日の期間を与えることを含む。
輸入締約国は、訪問国が要請された支援又は情報を提供しないことのみを理由として、特恵待遇の要求を否認してはならない。
輸入締約国は、この条の規定に基づいて確認が行われる期間中、自国の法令で定める手続に従って適当な措置(当該確認の対象となる輸出者又は生産者の繊維又は繊維製品に対する関税上の特恵待遇の適用の停止又は否認を含む。)をとることができる。
輸入締約国の領域に輸入される繊維又は繊維製品が特恵待遇を受ける産品であることについての輸出者又は生産者による虚偽の又は裏付けのない陳述が常習的に行われていることが当該輸入締約国による同一の繊維又は繊維製品の確認により示される場合、当該輸入締約国は、当該輸出者又は生産者により輸入され、輸出され、又は生産される同一の繊維又は繊維製品について、特恵待遇を受ける産品であることが当該輸入締約国に対して証明されるまでの間、特恵待遇を停止することができる。この規定の適用上、「同一の繊維又は繊維製品」とは、物理的な特性、品質及び評価、当該産品の原産地決定に影響を及ぼさない外観上の些細な相違の如何にかかわらず、全ての点において同一である繊維又は繊維製品をいう。

第6.7条:決定(TPP11と条文の構成がほぼ同じである。)

輸入締約国は、次のいずれかの場合には、特恵待遇の要求を否認することができる。
第5.10条(原産地の決定)に規定する理由がある場合
現地訪問において、当該産品が原産品としての資格を有することを決定するために十分な情報を得られなかった場合
現地訪問の要請において、現地訪問のためのアクセス若しくは許可が拒否された結果、当該輸入締約国が当該現地訪問を実施できず、当該訪問を完了することを妨げられ、又は、輸出者若しくは生産者、或いは前者に代わって同意することができる者が現地訪問の期間中、関連する記録若しくは施設へのアクセスを提供しない場合

第6.8条:繊維及び繊維製品の貿易に係る事項に関する委員会(TPP11と骨格はほぼ同じ。)

締約国は、各締約国の政府の代表者から成る繊維及び繊維製品の貿易に係る事項に関する委員会(繊維委員会)を設置する。
繊維委員会は、この協定の効力発生の日から1年以内に少なくとも1回会合し、その後は締約国が決定する時期に及び委員会の要請に応じて会合する。繊維委員会は、締約国が決定する場所及び時期に会合する。
繊維委員会は、この章の規定の下で生ずることのある事項について検討することができるものとし、繊維委員会の任務には、この章の規定の実施に関する検討、この章の規定の下で生ずる技術上又は解釈上の困難についての協議及びこの章の規定に基づく協力の実効性を高めるための方法に関する討議を含む。
繊維委員会は、第63.09項に分類される中古の衣類その他の物品の域内貿易に対する現行規制が撤廃されることによって生じうる潜在的な利益とリスクの評価を行う(各締約国における、ビジネス及び雇用機会並びに繊維・繊維製品市場への影響を含む。)。
繊維委員会は、HSの改正の効力発生の前に、HSの変更を反映するために必要なこの章の更新の準備を行うために協議する。

第6.9条:秘密の取扱い(TPP11に比較して原則のみを規定している。)

第5.12条(秘密の取扱い)に定める規定は、本章の規定に基づき貿易従事者から聴取した情報又は他の締約国から提供された情報に対して適用される。

附属書6-A:特別規定(TPP11には存在しない規定。)

第A節:定義
第B節:特定の繊維及び繊維製品に係る関税上の待遇
米国は、米国で完全に成形され、切断された布をメキシコで組み立てた後に、メキシコから米国に再輸入される以下の繊維製品に対して関税を賦課しない。
米国関税番号9802.00.90号又は同号が改正されて引き継がれた番号に分類される物品、又は
第61類から第63類に分類される物品のうち、組み立てられた後に米国関税番号9802.00.90号又は同号が改正されて引き継がれた番号の待遇を得られたであろう物品(当該物品が漂白、衣類への捺染、ストーンウォッシュ加工、酸洗い加工、又はパーマプレス加工を行ったか否かを問わない。)
第C節:他の締約国の非原産品に対する関税上の特恵待遇
衣類:一つの締約国において、域外で生産又は得られた生地又は糸から、裁断され(若しくは特定の形状に編まれ)、かつ、縫い合わされ又は組み立てられる第61類又は第62類の衣類であって、本協定に定める他の特恵待遇の資格要件を満たす場合には、付録1(非原産の繊維製品に適用される関税上の特恵待遇)で特定されるSME(square meters equivalent: 平米値)による年間数量を限度に特恵税率を適用する。
例外:メキシコと米国との間の貿易については、例外品目として特掲された産品に対しては特恵税率を適用しない。
布及びその他の繊維製品:
(i)一つの締約国において、域外で生産若しくは得られた糸又は域外で生産若しくは得られた繊維から作られた糸から製織され又は編まれた、又は域外で生産又は得られた繊維から一つの締約国において紡績された糸から一つの締約国においてメリヤス編みされた第52類から第55類、第58類、第60類、及び第63類の綿又は人造繊維の布又はこれらの製品、及び
(ii)域外で生産若しくは得られた第5208.11号から第5208.29号、第5209.11号から第5209.29号、第5210.11号から第5210.29号、第5211.11号から第5211.20号、第5212.11号、第5212.12号、第5212.21号、第5212.22号、第5407.41号、第5407.51号、第5407.71号、第5407.81号、第5407.91号、第5408.21号、第5408.31号、第5512.11号、第5512.21号、第5512.91号、第5513.11号から第5513.19号、第5514.11号から第5514.19号、第5516.11号、第5516.21号、第5516.31号、第5516.41号、又は第5516.91号の布から仕上げられ、及び裁断され、かつ、縫い合わされ又は組み立てられる第9404.90号の産品であって、本協定に定める他の特恵待遇の資格要件を満たす場合には、付録2(非原産の綿又は人造繊維の布及び製品に適用される関税上の特恵待遇)で特定されるSME(square meters equivalent: 平米値)による年間数量を限度に特恵税率を適用する。TPLsを算出するために使用されるSMEは、カナダと米国との間の貿易においては、①関税分類変更基準を満たさない材料が当該産品の重量の50%以下である場合にはSMEの50%のみを適用し、②同材料が当該産品の重量の50%超である場合にはSMEの100%を適用することとする。
紡織糸:一つの締約国において、域外で生産若しくは得られた第52.01項から第52.03項又は第55.01項から第55.07項の繊維から紡績された綿又は人造繊維の糸であって、本協定に定める他の特恵待遇の資格要件を満たす場合には、付録3(非原産の綿又は人造繊維の糸に適用される関税上の特恵待遇)で特定されるSME(square meters equivalent: 平米値)による年間数量を限度に特恵税率を適用する。
TPL規定により輸入される産品:各締約国は附属書6-Aに規定されるTPLによって輸入される産品が特恵関税待遇を受けることを規定し、当該産品に税関手数料を課してはならない。この附属書に規定される産品の貿易は、締約国により監視されるものとする。輸入締約国は、各TPLを先着順方式で管理し、その数量を把握する。各締約国は、以下をウェブサイトにおいて公表する。
・ 各TPLの年間数量及び各TPLに割り当てられた毎月更新される数量、
・ 各TPLの年間数量の毎月更新される輸入に基づく使用状況、
・ 本協定の発効の日からの各TPLの割当及び使用に係る情報、及び
・ 手続を説明する概要書類に沿ったTPLの割当に係る情報、さらに、これらの手続の変更が告知聴聞に従うこと。
輸入締約国は、その権限ある当局から産品がTPLによって無税輸入される資格を有することを証する資格証明書(certificate of eligibility)が発給されることを求めることができる。輸入者は、当該産品の輸入後1年以内に無税待遇の要求をすることができる。
付録1:非原産の繊維製品に適用される関税上の特恵待遇 付録2:非原産の綿又は人造繊維の布及び製品に適用される関税上の特恵待遇 付録3:非原産の綿又は人造繊維の糸に適用される関税上の特恵待遇 (各締約国において特恵税率での輸入が認められる限度数量を輸出国別に明記したもの。)

附属書6‐B:変換表(HS品目表で使用される重量(Kg)、数量(ダース)等からTPLで使用されるSME(平米値)に転換するための数値を規定した表。)

2019年2月6日 掲載
文中、意見に及ぶところは筆者の個人的な意見であり、JASTPRO又は関係諸機関の見解ではないことを予めお断りしておきます。

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