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原産地関係エッセイ・論文・講演資料

第四十話CTC基準を満たさない材料の原産性決定-日米協定での対米輸出

日米貿易協定の中で最も理解しにくい部分は、米国原産地規則のパラグラフ18(c)であると思います。特に、「当該材料は、米国の国内法に従って、米国或いは日本国の完全生産品である場合、又は第三国からの或いは第三国で生産された材料が米国或いは日本国において実質的変更が生じた場合に原産品とする」という規定にある「米国の国内法に従って」とは、具体的にどの原産地規則を適用すればよいのか(少なくとも日本国に居住する者には)明確ではありません。筆者は、本年1月の第38話において、「米国非特恵原産地規則を日米貿易協定に適用する不思議」と題した小論を掲載したところでありますが、本コラムをご覧になり執務参考とされる方が増えてきたようなので、念のために米国税関に正式に照会してみたところ、本日メール返信がありましたので、その内容を読者の方々と共有いたします。

結論から申し上げると、上記の場合には米国の非特恵原産地規則を適用することで間違いありません。我が国からの輸出なので、同じ米国非特恵原産地規則であっても、NAFTAマーキングルールの適用はありません。以下に、米国税関からの返信スクリーンショットと筆者による仮訳を掲載します。

貴方の継続質問に関連し、

1.「実質的変更」は米国連邦規則第19巻第134.35条(当該規則を下に別掲)に定義され、日米貿易協定に含まれる関税項目(Tariff line)に対してのみ適用されることになります。
2.特定品目に関する関税分類又はその他の関連質問への助言を得る場合には、https://erulings.cbp.gov/s/において事前教示を求めることができますので、付言いたします。

【参考】

§134.35 製造により実質的に変更した製品
(a)NAFTA構成国の産品以外の産品。米国における製造に使用される製品で、輸入された時点での製品の名称、特性又は用途とは異なる名称、特性又は用途に変更されたものは、United States v. Gibson-Thomsen Co., Inc.における決定(27 C.C.P.A. 267 (C.A.D. 98))の原則に従うものとする。この原則の下で、輸入された製品を異なる製品に変更又は組み合わせる米国製造業者又は加工業者は、1930年関税法を修正したセクション304(a)(19 U.S.C. 1304(a))の想定範囲内にある輸入製品の「最終的な購入者」であると考えられ、当該製品はマーキングの対象外となる。輸入された製品の一番外側の容器は、本パートに従って表示されなければならない。
(b)NAFTA構成国の産品。 (略)

日米貿易協定附属書II (米国原産地規則及び原産地手続き)

パラグラフ18(c)

個々の原産地規則が関税分類変更基準によって規定され、かつ、HSの類、項又は号レベルで関税項目を除外すべく記載されている場合、当該原産地規則は、産品が原産資格を得るためには当該除外された関税項目に分類される材料が原産材料であるべきことを意味すると解釈される。当該材料は、米国の国内法に従って、米国或いは日本国の完全生産品である場合、又は第三国からの或いは第三国で生産された材料が米国或いは日本国において実質的変更が生じた場合に原産品とする。

2020年3月13日 掲載
文中、意見に及ぶところは筆者の個人的な意見であり、JASTPRO又は関係諸機関の見解ではないことを予めお断りしておきます。

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