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エッセイ「八丁堀梁山泊」

第五十話 【速報】EU英国FTA原産地規則の全貌判明
2020-12-28

速報版:現時点における情報なので、今後内容が変わることもあり得ることにご留意ください。

【ポイント】

日EU・EPA原産地規則の骨格をそのまま採用(条文構造はこちら)。自己申告制度を採用し、①輸出者・生産者による原産地に関する申告、②輸入者の知識をベースとした特恵輸入申告が可能。モノと生産行為を累積する「完全累積」を採用しているが、期待されていた第三国部材の使用を許容する「拡張累積」規定は盛り込まれず。

EU英国FTAは、2021年1月1日から暫定実施され、同年3月1日の発効を目指している模様。


【原産地規則】

《一般規定》

累積規定は、①モノの累積、②生産行為の累積、③適用制限(軽微な加工のみでは累積規定が適用されない)、④生産行為の累積にはサプライヤー宣誓(又は同様な情報を含む書類)が必要であることを規定。

拡張累積規定は採用されず。日EU・EPAの原産品であってもEU英国FTAでは原産品扱いされない(注:日英EPAでは日英原産地基準をEU域内で満たす材料、EU域内での生産行為を累積可能としている。)。

品目別規則を満たさない非原産材料の一定量の使用を認めるデミニミス規定を採用。
①農水産品:産品の重量の15%以下(HSコード第1類、第3類、第16類の水産加工品には適用なし)
②繊維・繊維製品:附属書で規定(例えば、基本的な紡織用繊維の総重量の10%以下)
③その他の工業製品:工場渡し価額の10%以下

《電気自動車等に適用される暫定措置》(詳細はこちら

乗用車、バス、トラック(ハイブリッド、プラグイン・ハイブリッド、電気自動車に限る)の原産地規則は、①2023年末まで非原産材料の許容限度を60%、②2026年末まで同55%、③2027年1月から同45%。

2027年1月以降の乗用車、バス、トラックの原産地は、①プラグイン・ハイブリッドと電気自動車が非原産材料の許容限度を45%とし、バッテリーパック(HS第85.07項)を英EUの原産品に限定、②ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車は許容限度45%。


【原産地手続】

産地に関する申告は、①シングル、②包括(同一の産品のみ)が使用可能で、有効期間は1年間又は2年間。

記録の保存期間は3年間。

(2020年12月28日、以下から引用)



文中、意見に及ぶところは筆者の個人的な意見であり、JASTPRO又は関係諸機関の見解ではないことを予めお断りしておきます。